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ボルネオへ向かう途中で。
クアラルンプールという旅の助走

日本からボルネオ島へ向かう旅は、クアラルンプールから始まります。

直行便で目的地に降り立つ旅も便利ですが、乗り継ぎを挟むことで、旅には小さな助走が生まれます。都市の空気に一度触れ、体内時計を整えながら、これから向かう場所への気持ちをゆっくり切り替えていく時間です。

尾翼にバティック柄がデザインされている機体が目印

今回利用したのはバティックエア・マレーシア。
日本(成田・関空)とクアラルンプールをミドルクラスの航空会社で、フルサービスキャリアほどの華やかさはありませんが、かといってLCCほど簡素でもない、ちょうど中間の存在です。価格と利便性のバランスを考えると現実的な選択肢ともいえます。

搭乗中、客室乗務員が空席への移動を柔軟に提案してくれるなど、フレンドリーで気取らない実用的なサービスが印象に残りました。長距離移動では、こうした小さな配慮が旅の印象を大きく左右します。

機内食はオプション。事前に予約をすると安心
チキンのカルボナーラは、RM20(日本円で1000円ほど)

機内食は事前予約または当日機内で購入することもできます(在庫がある場合に限り)。ピザなどの軽食はRM15(日本円で600円程度)、そのほかRM20(日本円で1000円程度)で、パスタやライスボウルなどしっかりした食事が用意されていました。

最初の目的地クアラルンプールは、ペトロナス・ツインタワーを中心に広がる高層ビル群、整備された道路、巨大ショッピングモールなど、東南アジアという言葉から想像する景色とは異なる、洗練された近代都市です。

クアラルンプールの高層ビル群にはまず圧倒されます
「ムルデカ・スクエア(独立広場)」は、1957年8月31日にマレーシアが英国から独立を宣言した歴史的な広場

クアラルンプールの滞在がたとえ1日だとしても、独立広場やピンクモスク、セントラルマーケットなどには、十分に行ける距離です。

今回クアラルンプールのもうひとつの表情を知る場所として訪れたのが、「カルコサ・セリ・ネガラ(Carcosa Seri Negara)」です。

現在はマレーシア政府観光局が管理する「カルコサ・セリ・ネガラ」は小高い丘にあります

市街地中心部から車でほど近い丘の上に建つこの建物は、1898年に英国統治時代の総督官邸として建設された歴史的建造物。現在は文化遺産として保存されており、近代的な高層都市とは対照的な、コロニアル時代の面影を残しています。

高層ビルが立ち並ぶクアラルンプールですが、少し場所を移動するだけで、芝生と緑に囲まれた静かな場所へ移動できるのも魅力の一つです。

そして今回宿泊したのはインターコンチネンタル・クアラルンプール。

広々とした落ち着いたトーンのダブルルーム
ホテルエントランスにはバティック柄のLEDで演出

東京やロンドン、ニューヨークなど世界の主要都市に展開する同ブランドですが、クアラルンプールでは時期によっては日本の約3分の1程度の価格で宿泊できることもあります。円安が続く今、日本人にとっては現実的なラグジュアリー体験が可能な都市のひとつといえるでしょう。

タオルアニマルにホスピタリティを感じます
朝食は、マレー料理はもちろん、中華料理、インド料理など種類が豊富に揃っています

多民族国家マレーシアらしく、食文化も豊かです。マレー料理、中華料理、インド料理が自然に混ざり合い、ひとつの都市の中で世界を旅しているような感覚になります。

目的地でありながら通過点でもあるクアラルンプール。

都市で体を整え、快適なベッドで一晩休み、再び空港へ向かう。そして飛行機は、ボルネオ島へ。クアラルンプールは、単なる乗り継ぎ地ではなく、旅の入口として十分な厚みを持った都市です。