
北海道白老町にあるコンテンポラリーアートギャラリー「brew gallery(ブリューギャラリー)」で、これまで個展などを開催した3名の作家の作品が、併設するクラフトビール醸造所「The Old Grey Brewery」の缶ビール商品(3種)のラベルデザインに採用されました。
作品が用いられた田中彰さん、相川みつぐさん、大西洋さんの3名は、白老町にゆかりがあり、この1年間で「brew gallery」にて個展や展示を行ったアーティストです。
本取り組みでは、1商品につきレギュラーデザイン缶とアートデザイン缶の2種が販売され、アートデザイン缶は30円高く設定されます。この差額分は、アートが商品価値を高め、その価値が地域の社会活動へと還元されていく新たな試みとして、白老町の未来へ繋げる社会活動(文化芸術・環境活動など)に充てられる予定とのことです。
ブリュワリー × アート:文化を繋ぐプロジェクトとして
brew galleryは、クラフトビール醸造所「The Old Grey Brewery」に併設されるアートスペースとして、現代美術を中心とした展示・作家支援・地域との接点づくりを目的に2024年より運営されています。
今回の事例は、展覧会活動が単独で完結するのではなく、パブリック空間やプロダクトへ展開する初の試みとなります。今後もbrew galleryでは、作家の創作活動が多様な形で社会とつながる機会を生み出す場としての機能を広げていくとのことです。
アートデザイン缶ラインアップと作家プロフィール
オロオロ・ブラック(シュバルツ)

The Old Grey Breweryを代表する商品で、白老町にあるオロオロ山が名前の由来。非常にスムースかつ軽やかな味わいで、ふだん黒ビールを飲まない方にもぜひ試してもらいたいビールです。
販売価格:レギュラーデザイン缶(左)税込600円、アートデザイン缶(右)630円(350ml缶、参考小売価格)
販売日:2025年4月26日(土)
販売場所:The Old Grey Brewery 直営店、白老町内の一部飲食店・小売店、オンラインストアほか
アーティスト:田中 彰(たなか しょう)
1988年岐阜県生まれ。2015年武蔵野美術大学大学院版画コース修了。植物や釣り、水辺の生き物など自然と人の関係をテーマに木版画を制作。2022年から白老町にて滞在制作、2024年brew galleryにて個展「標高と水深」を開催した。
ホロホロ・サンセット(ウィーンラガー)

ほのかなハーブと柑橘風味を感じるモルティで後味すっきりなオーストリアのウィーンラガースタイルの商品。白老町のホロホロ山が名前の由来です。
アーティスト:相川 みつぐ(あいかわ みつぐ)
1976年千葉県生まれ、札幌市在住。北海道造形デザイン専門学校卒。人と自然の関係を寓話的に描くスタイルで、壁画や装画、展覧会を多数展開。2024年、brew galleryで個展「VARIOUS」を開催した。
シロユリ(ヴァイツェン)

北海道小麦麦芽を50%以上使ったドイツの伝統的なビアスタイル。バナナのようなフルーティーな香り(エステル香)と、苦みをほとんど感じない柔らかな味わいが特徴です。
アーティスト:大西 洋(おおにし よう)
東京都出身。東京藝術大学デザイン学科卒。北海道教育大学岩見沢校准教授(イラストレーション)。2024年、brew galleryのグループ展にて作品を展示。雑誌や広告などフリーのイラストレーターとしても活動している。