
広島県北広島町と特定非営利活動法人Nature Serviceが、日本初となる「Overlanding(オーバーランディング)」を活用した森林の新たな価値創出事業の実現に向けて取り組むことに合意しました。この取り組みは、北広島町が持つ豊かな森林資源を持続可能な観光資源として発展させることを目指しているとのことです。
動画で見る「Overlanding」in 北広島町:https://www.youtube.com/watch?v=P1TFK5pJVg4
「Overlanding」とは
「Overlanding」は、自動車を使って自然の中を走破しながら、車中泊やキャンプを楽しむアウトドアアクティビティです。目的地を目指すことよりも、長距離にわたる移動そのものを楽しみ、自然と一体となる体験をします。欧米やオーストラリアでは、既に確立された観光コンテンツとして多くの人々に親しまれ、自動車メーカーやアウトドアブランドが新たなビジネスチャンスとして注目しています。
本プロジェクトでは、北広島町の未活用の森林資源や林道、廃道を利用し、IT技術を駆使して安全で魅力的な「Overlanding」体験を提供することを目指しているそう。参加者は、地元の観光スポットや絶景を楽しみながら、地域の文化や自然に触れることができます。


背景・経緯
北広島町は広島県の北部に位置し、町の約8割(約5万ha)を森林が占める自然豊かな地域。1,000m級の山々、高原地帯、盆地、丘陵地、河川沿いの山間地、棚田集落など、多様な地形が織りなす独特な景観が広がり、四季折々の表情を見せる魅力的なフィールドです。夏は清涼な気候、冬はスキー場が立ち並ぶウィンタースポーツの聖地として知られています。
令和5年度に策定した「北広島町新たな森林資源活用ビジョン」では、この豊富で変化に富んだ森林資源の魅力を生かした地域活性化を目指しています。令和6年度からは、具体的なアクションプランの実現に向けて取り組んでおり、今回の「Overlanding」プロジェクトもその一環として位置づけられています。

一方、Nature Serviceは「自然に入ることを、もっと自然に」をコンセプトに、全国各地で自然資源の調査やマーケティングで実績を重ねてきました。指定管理者として複数のキャンプ場や法人向けリモートワーク施設の管理・運営を手がけ、自治体と連携しながら地域資源を生かした観光コンテンツの実現に取り組んでいます。
本プロジェクトにおいても、日本の豊かな自然を「Overlanding」という新しい形で楽しむ機会を提供し、同時に地域の活性化にも貢献することを目指しているそう。
両者は、「Overlanding」による新たな観光価値の創出が、北広島町の森林資源活用ビジョンの実現手段のひとつとして最適であると考え、共同で本プロジェクトを推進しています。
今後の取り組み
本プロジェクトでは、今後約3年かけて、地域資源の調査や事業モデルの開発、旅行代理店や国内自動車メーカー、北広島町内の林業従事者、観光産業従事者等の各関係事業者との連携の強化を予定。
北広島町の未活用林道やスキー場跡地を活用し、IT技術を駆使した管理の下で、安全で魅力的なOverlanding体験を提供していくとのことです。
