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早朝2時間限定のマルシェ
山形県新庄市で月イチ開催

農家のつくえの方々と生産者さんたち

お米の一大産地・山形県新庄市にて、2025年6月22日(日)より朝6時30分から2時間限りの朝市「しんじょう朝マルシェ」が開催されます。

場所は、新庄市の人気ホテル「ニューグランドホテル」駐車場。企画・運営は、同市にて活動する農業振興グループ「農家のつくえ」です。農家のつくえでは、米価の高騰や米不足、農業人口の減少と高齢化など、地方の農業がさまざまな課題を抱えている中、農家と消費者を直接つなぐ事業で課題解決を図ろうと活動しています。

「しんじょう朝マルシェ」は、2025年6月から11月まで、毎月第4日曜日に開催されます。2025年初回開催の6月22日には、新庄市産さくらんぼの量り売りやホテル特製芋煮など、他では体験できないイベントやフードの提供が企画されています。

イベント詳細:https://www.noukanotsukue.com/archives/6106

「しんじょう朝マルシェ」とは?

「しんじょう朝マルシェ」は、山形県新庄市の「ニューグランドホテル」が発案し、依頼を受けた「農家のつくえ」が企画・運営をして進めているイベント。近年の急激な観光客の減少、農業が抱えるさまざまな問題、地域から次々に撤退するスーパーなどの地域課題を受け、ニューグランドホテルと農家のつくえが協力する形で実現しました。

同イベントは2024年から始まり、初回となる6月開催では、目玉企画となるさくらんぼの量り売りを求めて訪れた地元住民による行列ができ、大変なにぎわいを見せました。

地方自治体からの運営資金援助は一切なく、民間の資本とアイデアで持続可能なイベントを目指していくとのことです。

「しんじょう朝マルシェ」には早朝から行列が

早朝から買い物と外食が楽しめる場所を町中に

「しんじょう朝マルシェ」のターゲット客は、ホテル宿泊客と地元住民。宿泊客には山形のいいものを知ってもらうこと。地元住民には地元農家を知ってもらうこと。そうして、地域を挙げて農業や食文化を楽しむことで、農業の持続可能性を探っていくことを目的としています。

朝マルシェには、毎回ニューグランドホテルの人気定番メニュー「芋煮」がサービス価格で提供されます。また、季節のフルーツ、最上地域限定「伝承野菜」、特産品フードメニューなど、毎回目玉となる企画を用意して、お客さんに楽しんでもらう努力を重ねているそう。

2024年は、6時30分から10時までの開催で、200~300人ほどの来場者がありました。来場客からは「朝しか買い物をする時間がないので助かる」「早朝に買い物をして、日中には他の予定を入れられるのでありがたい」といった声が聞かれ、マルシェイベントの新たな顧客層開拓の可能性に手応えを感じているそうです。2025年は6時30分から8時30分までの2時間に凝縮し、さらなる来場者数の獲得を目標に掲げています。

ホテルの駐車場にて朝市を開催

「農家のつくえ」とは

「しんじょう朝マルシェ」の企画・運営を進めているのが、非農家メンバーで構成される農業振興グループ「農家のつくえ」。

代表の渡辺悠樹さんは、クリエイティブ制作会社「合同会社麦角社」の経営者兼ライター(2025年現在、山形新聞にてコラムと取材記事を執筆中)。広報・ディレクター担当の奥山純子さんは、フリーランスのWEBデザイナー。渡辺さんは千葉県出身、奥山は神奈川県出身と、いずれも県外からの移住者です。その他のメンバーもすべて農家ではなく、一般消費者として活動しています。

農家のつくえでは、「しんじょう朝マルシェ」以外にも、薬局などの店舗事業者に野菜を販売してもらったり、農家を身近に感じてもらうSNS投稿に力を入れたりと、さまざまな活動を続けています。なお、農家のつくえは2028年までに法人化を計画中。クリエイターとしてのスキルを生かし、農業など地域の課題解決に取り組む会社の設立を進めています。

「しんじょう朝マルシェ」について

(1)毎回目玉商品を用意
地元住民の皆さんに特別感を感じてもらうために、毎回、日頃味わえないイベントやフードメニューなどを用意しています。

[予定の目玉商品]
・新庄市産さくらんぼの量り売り
・酒田市の刈屋梨の規格外品販売
・最上町産シャインマスカット
・舟形マッシュルームの詰め放題
・最上赤にんにくの詰め放題
・最上鴨の鴨鍋
・鮭川村の鮭唐揚げと、鮭の新切り(じんぎり)予約販売

キッチンカーも参加しさまざまな商品を販売

(2)赤字覚悟!? ニューグランドホテル特製の芋煮と玉こん
宿泊客に口コミで評価が高いのが、ニューグランドホテルの朝食バイキング。中でも人気なのが山形名物の芋煮です。「しんじょう朝マルシェ」では、イベント共催であるニューグランドホテルが、特製の芋煮を低料金で提供。また、イベントでのスタンプラリーなど、一定の条件をクリアした方には無料で提供されます。

そして、山形のもう一つの名物・玉こん(玉こんにゃく)も手頃な価格で販売されます。

(3)最上伝承野菜
最上地域には、古くから伝わる独特の形状や色の野菜が多くあります。伝統野菜、在来作物などともいわれる自家採種で長年引き継がれてきた野菜で、最上地域では「最上伝承野菜」としてブランド化されています。スーパーなど一般の小売店では販売されない最上伝承野菜も、その種を引き継ぐ農家さんが自ら販売をします。

最上伝承野菜一例:甚五右ヱ門芋、最上赤にんにく、勘次郎胡瓜、畑なす、最上かぶ など

公式サイト: https://mogami-denshouyasai.com/

(4)試食専門コーナー
2025年の新企画として、試食専門コーナーを開設します。山形県各地の加工品などを並べて、試食だけを楽しむことができます。「買わなくていい」安心感で、山形の特産品が味見できます。

(5)学生参加
2025年は新庄東高校の生徒が参加し、社会勉強も兼ねて自ら野菜の栽培・販売をします。商売の仕方を学んでほしいという、同校校長の考えから企画されました。また、イベントにはボランティアスタッフとして、東北農林専門職大学の学生や、隣県の大学生も参加しています。

さらに、地元中学生が修学旅行の旅費を稼ぐために、最上伝承野菜の栽培から販売までを行うといった企画も進行中とのことです。

(6)ホテルの屋内開催も
マルシェなどの屋外イベントの大敵が天気。その点、「しんじょう朝マルシェ」は開催場所がホテルのため、悪天候時には宴会場に急遽変更して行い、ゆっくりと買い物を楽しむことができます。他のマルシェイベントには無い特徴の一つとなっています。

悪天候時にはホテル屋内での開催も可能

【開催概要】
「しんじょう朝マルシェ」
開催日時:2025年6月~11月の毎月第4日曜日
会場:ニューグランドホテル大駐車場
〒996-0025 山形県新庄市若葉町4-23
アクセス:JR東日本・新庄駅 徒歩約5分
主催:農家のつくえ(運営:合同会社麦角社)
公式サイト:https://www.noukanotsukue.com/