神が舞い降りた町、
高千穂で釜炒り製法に
とことんこだわる
家族経営の小さな茶園
なぜ神々はこの地に舞い降りたのか。宮崎県北西部にある高千穂地方は、天照大神がお隠れになった天岩戸神社、神々が集まった天安河原(あまのやすかわら)、神が降臨した高千穂峡など、いくつものパワースポットがある「神話と伝説の里」として親しまれている。
標高は平地で約300メートル。切り立った山々に囲まれた一帯は、古くからお茶の産地としても知られている。お茶は寒暖差がある霧が発生する土地でよく育つ。甲斐製茶園は高千穂町の山間部にあった。訪れたのは6月下旬。急斜面に広がるだんだん畑では、一番茶を刈り取ったお茶の木から二番茶の芽が青々と伸びていた。