週末に、少しだけ非日常を感じる旅へ――。
マレーシアの首都クアラルンプール(KL)は、日本から直行便でおよそ7時間、時差はわずか1時間。2泊3日の弾丸スケジュールでも、十分に楽しめる都市です。
アジアならではのスパイスの香り、近代的な高層ビルと歴史的建築が並ぶ街並み、そして多国籍な食文化。短い滞在でも、KLは旅人の感覚を心地よく刺激してくれます。
今回は、「グルメ」「観光スポット」「アクセス&弾丸旅の極意」の3つのテーマで、週末KL旅の魅力をお届けします。
金曜夜から始まる、2泊3日クアラルンプール弾丸プラン
週末だけで海外を満喫するなら、目的地選びと動線づくりが重要。
クアラルンプール(KL)は、日本から直行便で約7時間、時差はわずか1時間。深夜便を使えば金曜夜に出発して、土曜の朝には南国の空気を吸い込めるのです。
ここでは、実際に訪れて気づいた“弾丸KL旅”のコツと、現地で役立った体験談をお届けしていきます。

金曜夜、深夜便で始まる“週末KL”
週末旅にKLを選んだ理由は、大手航空会社の深夜便がちょうどいい時間帯に飛んでいること。
羽田発なら、仕事を終えて一度帰宅し、シャワーを浴びてから空港に向かっても十分間に合います。機内で眠れば、目覚めるころにはマレーシアの朝。7時間のフライトは長すぎず短すぎず、体の負担も少ないと感じます。

到着後は、空港鉄道のKLIAエクスプレスで市内へ。快速なら30分、各駅でも1時間ほど。
車窓に広がる緑や広大な空は、日本の朝とまるで違う色のような気がしてワクワクします。
KLセントラル駅に到着すると、そこから目的地のホテルまではスマホにダウンロードしておいたGrab(配車アプリ)か、地下鉄やモノレールで向かいます。

驚きのホテル価格のおかげで、旅のご褒美に
KLでまず驚くのは、世界的な高級ホテルが想像以上の手頃な価格で泊まれることです。
初めてのKL旅で宿泊先に選んだ「グランドハイアット」も、日本や他国の価格に比べれば、およそ3分の1程度であることも珍しくありません。
背伸びして高級ホテルに泊まれば、サービスはもちろん朝食やバー、プールなど、滞在そのものが旅の大きな楽しみになります。今回滞在したグランドハイアットは、客室が上質な空間であることは間違ありませんが、朝食が印象的。色とりどりのフルーツとスパイスの効いた中華麺やインドカレー、ナシレマなど、多国籍の食文化を感じさせる多様なメニューが揃っていて、満足度が高いブッフェです。テーブルからは市街地も一望できて、「旅に来た」と感じさせてくれる特別な朝になります。短い滞在でもホテル時間をしっかり楽しめました。

さて、荷物を預けて身軽になったら、スマホに入れておいたGrabアプリで早速移動開始。ドライバーとの軽い英語のやり取りも、旅の小さな楽しみのひとつです。
配車アプリ“Grab”は旅の相棒、でも乗車場所にはご注意を
KLではGrabがとにかく便利。30分乗ってもだいたい1,000円前後、事前に料金が確定するので安心です。観光地でも待ち時間は数分ほど。ただし注意したいのは「乗車場所が指定されている」ケース。
今回の弾丸旅では、バトゥ洞窟の帰りにGrabを呼んだ際、駐車場の端にある乗り場を探しきれず、結局ドライバーとすれ違ってキャンセルする羽目に。
観光地でのピックアップは、あらかじめ乗車場所を確認するのが大切です。
昼と夜の表情を楽しむKL
KLは昼間より夜に活気が増していきます。特に夜のツインタワー周辺は公園になっていて、噴水ショーを見に多くの人が集まり、長い夜を楽しむ雰囲気に包まれます。


旅の最後は大人の時間ーホテルバーを楽しむ
KLの夜を少し大人っぽく過ごしてみたい場合は、ホテルバーを訪れることをおすすめします。
フォーシーズンズホテルの「バー・トリゴナ」は、「アジア・ベストバー50」に選ばれたこともあるそうです。レストランの奥の分厚い扉を開けた先には、豪華な調度品が置かれていて華やかな空間が広がります。マレーシア特有の植物や蜂蜜を使ったクラフトカクテルは、見た目も味わいも繊細で一杯のアートのよう。フレンドリーなサービスで、30代・40代の女性がひとりで立ち寄っても楽しめます。2、3人のグループなら、テーブル席を予約した方が良さそうです。
さらに夜景を楽しむなら、ホテル「W」のプールサイドバーがおすすめ。夜のリゾートパーティーが開催されているような開放感あふれる雰囲気で、一気にテンションが高まります。目の前にそびえるツインタワーの夜景と、ガンガン鳴り響くクラブミュージックに身を任せてみましょう。
静かに夜を楽しむか、音楽と夜景に包まれて盛り上がるか。どちらを選んでも、KLの夜はエネルギーが解放された暑い時間になります。



現地移動のリアルな体験
公共交通も試してみたいところ。地下鉄やモノレールは、かなり冷房が効いているので電車に乗る時はカーディガンやショールを1枚持参するといいでしょう。ただ、長く乗ると座席がちょっと硬めでお尻が痛くなるかも。3〜4駅の移動がちょうどいいかもしれません(笑)

徒歩移動なら、スカイウォークがおすすめ。グランドハイアット方面からはパビリオン(大型モール)まで、屋根付き&エアコン付きの高架歩道で快適に移動できます。

帰国前の朝は
最終日の午前中は、ホテルで朝食をとったあと、プールサイドでのんびりしたり。街中の散策や10時からオープンしているショッピングセンターを楽しむこともできます。KLセントラル駅からKLIAエクスプレスで約30分。空港内には免税店やショップが充実しており、最後の買い物も十分楽しめます。
2泊3日という限られた時間でも、KLは「よく遊び、よく食べ、よく休む」が叶う都市です。昼の活気あるマーケットと夜景を眺めるバータイム、その両方を体験すれば、週末だけの短い旅でも、体も心もリセットされて、「また明日からがんばれそう」と思わせてくれる旅でした。