発信

週末、自分を取り戻す旅 vol.1
初めてのクアラルンプールで見つけた”私の時間”〜グルメ編〜

週末に、少しだけ非日常を感じる旅へ――。
マレーシアの首都クアラルンプール(KL)は、日本から直行便でおよそ7時間、時差はわずか1時間。2泊3日の弾丸スケジュールでも、十分に楽しめる都市です。
アジアならではのスパイスの香り、近代的な高層ビルと歴史的建築が並ぶ街並み、そして多国籍な食文化。短い滞在でも、KLは旅人の感覚を心地よく刺激してくれます。

今回は、「グルメ」「アクセス&弾丸旅の極意」「観光スポット」の3つのテーマで、週末KL旅の魅力をお届けします。

食べるたび、好きになる。KLで出会った5つの美味しい幸福

マレーシア料理を代表する一食「ナシレマ」(写真はマダム・クワン)

東南アジアの食都、クアラルンプール。
スパイスの香りと活気、多民族が織りなす豊かな食文化が、この街の魅力。屋台の串焼きからホテルの朝食、ショッピングモールの気軽な一皿まで、KLには食べたいものが尽きません。2泊3日の弾丸滞在でも、その奥深さを存分に味わうことができました。
今回は、KL旅で出会った「食の風景」を紹介します。

屋台の熱気を味わう夜 – アロー通りのサテ

旅の初日は、まず夜の屋台街へ。クアラルンプールのグルメを語るなら、アロー通り(Jalan Alor)は外せないスポットです。赤いランタンが吊り下げられた通りには、ローカルフードの屋台がぎっしりと並び、人の波で真っ直ぐ歩くのも難しいほど。鉄板の上で焼ける音、スパイスの香り、スタッフの呼び込み、観光客の笑い声。週末ならではの光景なのか、まるでお祭りの夜のような熱気に包まれていました。

KLの夜を彩るアロー通り。赤いランタンの下に並ぶ屋台から、香ばしい煙が立ちのぼる
煙と熱気、そしてリズム。鉄板の音すら“ごちそう”に思えるKLの屋台夜景

呼び込みのスタッフに誘われてテーブル席につくと真っ先に注文した「サテ」。辛いタレに漬けた鶏肉や牛肉を炭火で焼き上げた串料理で、ピーナッツソースを添えるのが定番です。

甘辛いタレをまとったサテは、KL屋台の名物串

一口食べると、照り焼きに似た甘さと炭火の香ばしさが広がり、日本人の舌にも馴染みそう。10本ほどの盛り合わせセットでおよそ400円ほど。ビールと一緒に頬張れば、屋台ならではの豪快なおいしさが体に沁みます。

屋台で楽しむローカルビール。南国の夜風と一緒に味わいたい1杯
ピーナッツソースを添えるのがマレーシア流。串はチキン、ビーフ、ラムなど種類も豊富

マレーシアでは宗教や文化的背景からアルコールは控えめですが、屋台ではジュースやお茶を楽しむ人も多く、賑やかでありながら穏やかな雰囲気も漂っています。

香ばしい香りと熱気が漂う屋台は、旅の醍醐味

アロー通りは、KLのエネルギーを凝縮したような場所。ランタンの赤と屋台の火花、食欲をそそる香り。五感が忙しい夜の食体験でした。

 

国民が愛する”ナシレマ” は、マレーシアの“ちまき”

殺菌作用があるというバナナの葉で包まれたナシレマ

翌日は、セントラルマーケットでショッピングへ。

買い物前に立ち寄った店で、マレーシアの国民食「ナシレマ」をいただきました。
バナナの葉っぱに三角形に包まれた見た目は、”マレーシア版ちまき”。中にはココナッツで炊いたご飯、ピーナッツ、カリカリの小魚、ゆで卵、そしてサンバルソース(唐辛子の辛味ペースト)が詰まっています。
包みを開けると、ほんのり甘い香りとスパイスの香りがふわっと広がります。

お米とおかずがぎっしり詰まっていて、たった一つでも満腹に

小ぶりながらもぎゅっと詰まっていて、1つでしっかり満足感があります。価格は500円ほど。
手軽に食べられるローカルフードは旅の途中にありがたい存在です。

雨の日でも安心してショッピングが楽しめるのがいい。週末は地元の家族連れや観光客で賑わいをみせるセントラルマーケット
日用品やお土産も手に入るスーパー「Pasar Besar」は、広々としており、買い物がしやすい

ここ「セントラルマーケット」は、1888年に湿地市場として誕生し、工芸品や雑貨、ローカルフードが一堂に集まる観光スポット。2023年には一部がリニューアルされ、「Pasar Besar(=大きな市場)」という新しいエリアもオープン。初めてKLを訪れるなら、ショッピングとグルメを一度に体験できるこのマーケットは、まず訪れたい場所のひとつです。

KL旅では必ず訪れたいセントラルマーケット

夜はシーフードで〆る – 海脚人(Hai Kah Lang)

ミシュランのビブグルマンにも選ばれた、地元の人気シーフードレストラン「海脚人(Hai Kah Lang)」TRX店。マレーシア通にもおすすめされて、期待値マックスで向かった先には・・・100人くらいの行列が。2時間くらい待つとのことで一度は断念。とはいえビブグルマンの麺を食べたいという熱は止まず、閉店間際の深夜0時ごろに再訪問。さすがにこの時間はすんなり入店できました。

名物は「海鮮粉(シーフードヌードル)」と「魚頭粉」を注文。白濁したスープには魚介の旨味が凝縮され、海老やイカ、揚げた魚頭の香ばしさがアクセントを加えます。
スープのコクとほんのりした甘み、そして米麺のするりとした喉ごし。旅の疲れを癒すような優しい味で、お酒の後に味わうのもいいかもしれません。

週末の昼間は行列必至ですが、夜遅くになると落ち着いた雰囲気が流れています。KLの夜は、屋台の賑やかさと、この店のようなゆったりとしたローカルダイニングの両方を楽しむのがおすすめです。

ショッピングモールで味わう – マダムクワン(Madam Kwan’s)

KL中心地にある大型ショッピングモール「パビリオン」は、ファッションだけでなくグルメ天国でもあります。
なかでも人気レストラン「マダムクワン(Madam Kwan’s)」。マレーシア料理をカジュアルに楽しめます。マレーシア国内に複数展開しており、観光客だけでなく、地元の人々にも愛されている名店です。

絶品なのは、モチモチとした太い平麺にシーフードのとろみあんかけをかけた「Cantonese Fried Noodle」。


麺は軽く焼き付けられて香ばしさがあり、あんかけとの相性が抜群です。他のローカル料理より油っこさが控えめで、旅先で疲れた胃にもやさしい味。魚介の旨味がぎゅっと詰まったとろみあんは、食べ進めるたびにクセになるおいしさでした。また次回も必ず食べたい!と思える一皿でした。

2泊3日の短い滞在でも、KLの食文化は存分に味わえます。
夜の屋台で串焼きをかじり、葉っぱに包まれたナシレマを頬張り、ミシュラン認定のシーフードをすすり、ショッピングモールで気軽にローカル料理を楽しむ。
どの一皿にも、この街の多様な文化とエネルギーが詰まっています。次はもう少し長く滞在し、もっと深いKLグルメを開拓したくなる、余韻たっぷりの旅でした。