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丸の内・行幸地下ギャラリーに、若手アーティストの作品ずらり 「アートアワードトーキョー丸の内 2024」~5月12日(日)まで

東京駅と皇居前内堀通りを結ぶ行幸通りの地下にある、全長220mの「行幸地下ギャラリー」。両脇に設置された展示スペースには、数々の芸術作品が展示され、無料で鑑賞できる美術館として丸の内を訪れる人々を楽しませています。
4月25日(木)から5月12日(日)までは、次世代を担う若手アーティストの作品を展示した現代美術の展覧会「アートアワードトーキョー丸の内  2024」(以下、AATM)が開催中です。

丸の内の地下通路が、無料の美術館会場となっています

今年で18回目の開催となるAATMは、全国の芸術大、美術大など18校から147点の作品がノミネートされ、審査員による選考を経て、20点の作品が決定しました。発掘された20名の若手アーティストたちの作品は、「行幸地下ギャラリー」の展示スペース内に展示され、会期中に鑑賞することができます。
展覧会初日の4月25日(木)には、コロナ禍以後5年ぶりとなるオープンスペースでの表彰式が丸ビル1Fマルキューブで行われ、グランプリを含む全10賞が発表されました。
審査員は、三菱一号館美術館 学芸員の野口玲一氏、弘前れんが倉庫美術館 館長の木村絵理子氏ら7 名。藪前知子賞(東京都現代美術館 学芸員)と、小山登美夫賞(小山登美夫ギャラリー代表、日本現代美術商協会 副代表理事)のダブル受賞を果たしたのは、和田咲良さん(東京造形大学)。
審査員の藪前氏から「ユーモラスでウィットに富んだ作品。世界の表と裏を行き来するよう」と評され、「鑑賞者との相互交渉を常に考えて表現している。多くの人が通り過ぎるこの場所で実験できる良い機会だった」と和田さん。

審査員賞を2つ獲得した、和田咲良さん(東京造形大学)の作品: Main/Dub(2023年~2024年)

 

グランプリに輝いた、高田マルさん(京都市立芸術大学 大学院)の作品:こわれながらうまれる(間違った言葉)2024年

グランプリは、京都市立芸術大学 大学院の高田マルさんが受賞。「以前、仕事で丸の内に来ていた時期があり、この行幸地下通路もよく歩いていた。その時の自分を想いながら、自分だったらどのような作品が観たいのかを考えて作品を創り上げた。自室で作品と向き合っている時間と、こうして展示されたものを鑑賞してもらえる時間の一連の流れを共有していることが嬉しい」と喜びを語りました。審査員の藪前知子氏(東京都現代美術館 学芸員)は、「日記のような手書き文字が、時間の経過と共にパラパラと落ちていく、心の動きを表したかのような作品」とグランプリ作品を評しました。

グランプリ受賞を喜ぶ、高田マルさん(京都市立芸術大学 大学院)

三菱地所の街づくりの一つとして、丸の内はビジネスとアートが融合する環境を整えています。「アートは、丸の内の街づくりにポジティブな影響を与え、多様性や価値を提供するものとして不可欠」と語ったのは三菱地所株式会社執行役社長 中島篤氏。
国内外の現代アーティストの作品を展示する丸の内仲通りの「丸の内ストリートギャラリー」など、丸の内は街をまるごと美術館に見立てたようにアートに触れることができます。
そしてAATMは、第1回のグランプリ受賞者がのちに世界的なビエンナーレで活躍するなど、若手アーティストの登竜門ともいえる、非常に注目度の高い展覧会です。
ゴールデンウィーク後半、未来へ羽ばたくアーティストを発掘しに、丸の内に出かけてみませんか?

AATMに作品が展示されている20名の若手アーティスト。前列は、各賞を受賞した作家

 

【各賞の受賞者】
グランプリ:高田マル(京都市立芸術大学 大学院)
審査員 今村有策 賞:李 晟 睿智(東京藝術大学 大学院)
審査員 木村絵理子 賞:趙 彤陽(京都芸術大学 大学院)
審査員 後藤繁雄 賞:高尾岳央(京都芸術大学 大学院)
審査員 小山登美夫 賞:和田咲良(東京造形大学)
審査員 建畠晢 賞:奥野智萌(東京藝術大学 大学院)
審査員 藪前知子 賞:和田咲良(東京造形大学)
フランス大使館賞:山口遼太郎(京都市立芸術大学 大学院)

OCA TOKYO賞:本岡景太(東京藝術大学 大学院)
三菱地所賞:朝井彩華(女子美術大学)

【アートアワードトーキョー丸の内  2024/概要】
開催日:2024/04/25(木)〜2024/05/12(日)※会期中は無休
開館時間:11:00〜20:00 ※最終日は18:00まで。観覧可能時間は変更になる場合もある。
主催:アートアワードトーキョー丸の内  2024 実行委員会
入場料:無料
会場:行幸地下ギャラリー
問い合わせ先:丸の内コールセンター
TEL:03-5218-5100(11:00~21:00)
※日曜・祝日は20:00まで(連休の場合は最終日のみ20:00まで)
公式サイト:https://www.marunouchi.com/pickup/event/2605/