
一般社団法人SOEが、越前鯖江のものづくりと訪れる人をつなぐ観光案内所「Craft Invitation(クラフト インビテーション)」を、2025年7月14日(月)に福井県鯖江市河和田へオープンしました。
2022年に設立したSOEは、越前鯖江地域(福井県鯖江市・越前市・越前町)で産業観光を中心とした持続可能な地域を作る観光地域づくり法人。この地域は、漆器・和紙・箪笥・打刃物・焼物といった伝統工芸から、眼鏡や繊維などの地場産業まで、多彩なものづくりが集積する国内有数の生産地として知られています。
今回オープンした観光案内所「Craft Invitation」は、福井のものづくり旅の発信地として、観光客はもちろん、クリエイターやバイヤーの方々にも利用してもらえる「産地の窓口」を目指すそう。漆塗りのカウンターや漆器の木地を用いたランプシェードなど、越前鯖江の技と歴史を感じられる内装や展示にもご注目ください。
世界から信頼される、ものづくりのまち・越前鯖江
越前鯖江のものづくりは、妥協を許さない職人の姿勢と精巧な技術、美意識によって、国内外で高く評価されています。たとえば、越前打刃物は世界の著名な料理人に愛用され、鯖江の眼鏡は海外のラグジュアリーブランドからも注目を集めています。実際に、シェフやデザイナーなど多様なクリエイターが産地を訪れ、職人との対話から学びを得て、自身の表現に活かす動きも広がっています。近年は、技術を継承しながら新たなものづくりに挑む若い移住者も増え、地域に新しい風が吹き始めています。

40を超えるファクトリーショップと、開かれた産地の風景
SOEが運営するオープンファクトリーイベント「RENEW(リニュー)」は、普段は立ち入ることのできない職人の工房を開放し、見学やワークショップを通じてものづくりを体感できるイベントです。2015年の開始以来、来場者は年々増え、3日間で約4.8万人が訪れるまでに成⾧しました。これを契機に、作り手自身が商品を販売するファクトリーショップが地域内に40店舗以上誕生。作り手と使い手が直接交流できる機会が増え、ものづくりの現場はより開かれた存在になりつつあります。

産地の技や物語を伝える、ものづくり旅の発信地
今、越前鯖江エリアは“新たな気づきと出会いのあるものづくりのまち”として、国内外から注目を集めています。観光案内所「Craft Invitation」は、この地の産業観光の拠点として、作り手と訪れる人をつなぐ場所を目指します。
地域を熟知したスタッフによる、産地の案内窓口
越前鯖江のものづくり産地を案内するカウンターを設置し、地域に精通したスタッフが周辺の見どころや工芸品を扱うショップ、おすすめの飲食店など、ローカルな情報を紹介します。従来の観光にとどまらず、地域とものづくりをより身近に感じる楽しみ方を伝える「産地の窓口」として運営します。
事前予約制の産地ツアーやワークショップも受付中です。
https://craftinvitation.jp/workshop/
世界にここだけ!漆塗り自転車「URUSHI BIKE」のレンタルサービス
まちを楽しむために最適な自転車「tokyobike」に、老舗の漆塗師屋「漆琳堂」が4つの漆塗りの技法(真塗り、溜塗、和紙貼り、刷毛目)を施しました。世界にここだけしかない特別な「URUSHI BIKE」を利用することができます。

ウェブやSNS、ガイドブックでも旅をサポート
SOEでは、越前鯖江のものづくりや魅力的なスポットを発信するローカルメディアを企画・運営しています。ウェブサイトやSNS、ガイドブックを通じて、作り手や地域の見どころを伝え、旅の準備から移動中まで、ものづくりの旅をサポートします。ガイドブックは案内所でも購入可能です。
HP:https://craftinvitation.jp/
Instagram:@craftinvitation_fukui

職人の技が光る、観光案内所のみどころ
観光案内所「Craft Invitation」は、1階は観光客を迎える案内所、2階はSOEのオフィスとして、さまざまな人が行き交う場となります。内装にも産地の技や物語を感じてもらえる工夫を施しています。
■棚柱
創業102年、鯖江市河和田の「曽明漆器店」の倉庫に眠っていた、漆を塗る前の木地のデッドストック品を棚柱に使用。産地の旅の期待感を高めます。

■ランプシェード
鯖江市河和田の丸物木地師「ろくろ舎」が、「曽明漆器店」の木地に加工を施し、ランプシェードを製作。光の透け具合まで計算して削り出された、職人技が際立つペンダントライトが、訪れた人をやさしく迎えます。

■カウンターテーブル
200年にわたり鯖江市河和田で越前漆器を作り続けてきた「漆琳堂」による漆塗りカウンター。約5mの大きなカウンターは、手前から伝統的な朱色で塗り、奥に向かって徐々に淡い色彩へと変化させることで、空間に奥行きをもたらしています。

■テーブル脚 ※
1階の会議室のテーブル脚には、木製品を中心に吹き付け塗装を行う鯖江市河和田の「丸廣意匠」がスプレー塗装を施しています。空間と調和する色彩で、細部までこだわる越前鯖江の職人の美意識が表れています。

■障子紙 ※
創業150年を迎えた越前市今立の「滝製紙所」が手がけた特製和紙を用い、「丸山表具店」が仕立てた障子。過去のRENEWイベントのチラシを漉き込み、紙の厚みに差をつけることで色彩の濃淡を表現。視覚的なメリハリをつけながらも、採光と遮光の両立を実現しています。

※テーブル脚と障子紙は、オフィススペースのため通常非公開
【施設概要】
観光案内所「Craft Invitation(クラフト インビテーション)」
所在地:〒916-1223 福井県鯖江市片山町7-10-4
電話番号:0778-78-9967
オープン日:2025年7月14日(月)
営業日:月~金曜日 ※定休日はHPをご確認ください
営業時間:10:00~17:00
お問い合わせ:一般社団法人SOE welcome@soe.or.jp
運営:一般社団法人SOE
クリエイティブ設計:chidori studio・WADA studio
館内グラフィック:TSUGI llc.
