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昭和の古民家をリノベーション
地域資源を活かす文化拠点オープン

地域資源を活かす「古民家プロジェクト」が始動

株式会社アイジーエーが地域資源を再活用する「古民家プロジェクト」として、昭和初期に建てられた古民家をリノベーションした新拠点「五十嵐羅紗店(いがらしらしゃてん)」を2025年8月21日(木)にオープンしました。

「繋がる・集う・生まれ変わる・未来へつなぐ・祈る」の5つをコンセプトに、地域文化や伝統工芸を次世代へつなぐ場として、越前市の街並みに新たな賑わいをもたらしていきます。

株式会社アイジーエーは創業の地である福井県越前市において、地域活性化や伝統工芸を広める活動に取り組んできました。その中で見えてきた課題が、地域の趣ある古民家の多くが空き家となり、老朽化や担い手の不足により取り壊されたり、駐車場などへと姿を変えてしまっている現状です。

“失われつつある古民家の価値を未来へ受け継ぎたい”という想いから「古民家プロジェクト」を立ち上げました。リノベーションを施した「五十嵐羅紗店」は、古き良き意匠と現代的な感性が融合した新たな文化拠点を目指します。

古民家をリノベーションした「五十嵐羅紗店」
「五十嵐羅紗店」店内の様子

越前で出会う、手仕事と暮らし

歴史あるまち・越前市で、ファッション、工芸、アート、リペアなど多彩なコンテンツを展開。5つのコンセプトをもとに、地域と人、古きと新しきをつなぐ場を目指します。

01. 繋がる
ーー文化と人を結ぶ点に
日本古来から続く文化、和紙と書道、陶器と花など、芸術と工芸を一緒に表現することで多くの感動を生みます。古きと新しきを結び、地域と地域を結び、さまざまな繋がりを実現します。

02. 集う
ーー多様な人が交わる場として
店に少しずつ関わる人々が増え、集い、新しい関係が生まれていくように。地域の人、ものづくりの人、芸術や文化に携わる人、旅する人など、多様な人が集まることで笑顔や発想が育まれます。

03. 生まれ変わる
ーーリメイクで新しい命を
役目を終えた道具や素材に手を加えて蘇らせます。リメイクは新しい使い方や次の世代への継承にもつながります。古き良きものを現代に生かし、未来に手渡していきます。

04. 未来へつなぐ
ーーものづくりの継承を
越前市は1500年近く受け継がれてきた伝統工芸の地。時代に合わせて姿を変えながらも守られてきました。手仕事を融合させた逸品を生み出し、地域や国を超えて新しいものづくりに挑戦します。

05. 祈る
ーー生活とともにある信仰を大切に
総社大神宮を中心に、四季の歳時や年中行事が人々の暮らしに根づいてきました。自然や文化に祈りを込め、守り伝える心を大切にします。ここを訪れる人にもその想いを感じてもらいます。

若狭めのうで作られたピアス
REZENの洋服や着物をリメイクしたものが店内に並ぶ
越前和紙や越前焼、越前漆器などを販売
店内にはここでしか買えないものも

商品は、着物をリメイクした洋服や伝統工芸品を中心に展開しています。古着・リメイク事業「パステキドール」で取り組んできた衣料品の回収に加え、長く使われておらず眠ったままになっている着物の回収も行います。“美しい柄や上質な生地が活かされないままでは惜しい”との想いから、伝統的な着物の美しさを次世代につなぐ形で衣料品と組み合わせ、現代のファッションとして新たな価値をまとったアイテムへと仕立てていきます。

9月15日(月)のプレオープン時の様子

また、割れてしまった器や長く使われてきた焼き物の回収も行い、金継ぎ技術で修復し、新しい作品として展開予定です。

こうした取り組みを通じて、衣料品や着物、陶器など価値あるものを無駄にすることなく、再び輝かせることを目指しています。既存の素材を活かしながら、新しい魅力や可能性を生み出す場として、「五十嵐羅紗店」は多彩なアイテムを提案していきます。

日本の暦とともに楽しむ催し

「五十嵐羅紗店」では毎月、日本の暦に合わせた周期でイベントを開催します。

9月21日(日)のオープニングイベントでは、店舗前にて書家・前田鎌利さんによる大迫力の書道パフォーマンスが披露されました。大きな和紙いっぱいに力強く筆を走らせる姿は圧巻で、招待客や近隣の方々をはじめ、多くの来場者がその瞬間を見守りました。

この日は、五十嵐羅紗店の「5」にちなみ、「五風十雨」という言葉がしたためられました。「五風十雨」とは、五日に一度ほど風が吹き、十日に一度ほど雨が降るーー穏やかで安定した気候を表す熟語で、人々の暮らしが平穏で恵まれるさまを意味します。その言葉は、これからの「五十嵐羅紗店」が地域に根ざし、持続的に発展していく姿を象徴するものとなりました。

書家・前田鎌利さんによる書道パフォーマンスの様子
書かれたのは「五風十雨」という言葉
前田鎌利さんは国内外での個展の開催やライブパフォーマンスを行っている書道家

続いて行われたトークセッションでは、前田さんと株式会社アイジーエー代表取締役社長・五十嵐昭順さん、そして集まったお客さんも交えた対話が繰り広げられました。伝統工芸家や各分野の第一人者が集まり、それぞれの視点から熱い意見を交わす時間は、来場者にとっても深く学びと気づきのあるひとときとなりました。

パフォーマンスの後にはトークセッションを実施
多くの人がトークに熱心に耳を傾けていた

「五十嵐羅紗店」は、年齢や地域、国境を越えて人が集まり、福井ならではの文化や手仕事に触れながら、新たな交流と発想が生まれる拠点を目指します。古民家の再活用を通じて街の新しい魅力を発信し、越前市の活性化に貢献するとともに、アイジーエーが掲げる「ワクワクドキドキ 世界中がつながる社会の実現」にもつなげていくとのことです。

「五十嵐羅紗店」では今後も多くの方と交流できるイベントを開催する

「五十嵐羅紗店」公式サイト:https://www.igarashi-rasyaten.com/