日本からボルネオ島へ向かう旅は、クアラルンプールから始まります。
直行便で目的地に降り立つ旅も便利ですが、乗り継ぎを挟むことで、旅には小さな助走が生まれます。都市の空気に触れながら、これから向かう場所への気持ちを整えていく時間です。
今回利用したのはバティックエア・マレーシア。
日本とクアラルンプールを結ぶこの航空会社は、フルサービスキャリアほど堅苦しくなく、かといってLCCほど簡素でもない、ちょうど中間の存在です。
搭乗中、客室乗務員が空席への移動を柔軟に提案してくれるなど、フレンドリーで実用的なサービスが印象に残りました。長距離移動では、こうした小さな配慮が旅の印象を大きく左右します。
クアラルンプールに到着すると、都市のスケールに圧倒されます。
ペトロナス・ツインタワーを中心に広がる景観は、東南アジアの中でも特に洗練された近代都市の姿を見せてくれます。
今回宿泊したインターコンチネンタル・クアラルンプールは、その都市の安心感を象徴するようなホテルでした。
館内の動線は分かりやすく、客室は落ち着きがあり、滞在中に緊張感を感じることがありません。特に印象的だったのは朝食の時間です。スタッフの自然な声掛けや細やかな気配りから、この街が持つホスピタリティの成熟度を感じました。
多民族国家マレーシアらしく、街の食文化も豊かです。マレー料理、中華料理、インド料理が自然に混ざり合い、ひとつの都市の中で世界を旅しているような感覚になります。
クアラルンプールは、目的地でありながら通過点でもあります。
ここで一度旅のリズムを整え、都市のエネルギーを受け取ってから、さらに東へ。ボルネオ島へ向かう。
その流れこそが、今回の旅をより印象深いものにしてくれました。