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ボルネオでオランウータンに会えなかった日

ボルネオ島と聞いて、まず思い浮かんだのはオランウータンでした。

今回の旅で最も楽しみにしていたのも、実はこの存在です。クチン郊外にあるセメンゴ野生動物センターは、絶滅危惧種であるボルネオオランウータンの保護と野生復帰を目的とした施設です。

ここは動物園ではありません。
森の中で自由に暮らすオランウータンが、餌の少ない時期にだけ姿を現す場所です。

施設では決まった時間に餌やりが行われますが、出現は保証されていません。自然の中で生きている以上、人間の都合で姿を見せるわけではないのです。

訪れたのは1月。
この時期は果実が豊富で、森の中に十分な食料がある季節でした。つまり、人前に現れる可能性は低い時期でもあります。

案内を受けながら森の中で待ちましたが、その日は姿を見ることはできませんでした。

少しの落胆はありました。
しかし同時に、ここが「見せる施設」ではなく、「戻す施設」であることを実感しました。

自然保護区としてのセメンゴは、約20頭以上のオランウータンが森の中で生活しています。観光のために飼育されているわけではなく、あくまで野生復帰を目指す場所です。

もし出会える確率を高めるなら、果実が少なくなる4月から9月頃が比較的適していると言われています。訪問を検討する場合は、季節を意識することも重要です。

オランウータンには会えませんでした。

けれど、「また来たい理由」ができました。

自然は予定通りにはいきません。
それでも、その不確実さこそがボルネオの森の本質なのかもしれません。

会えなかったという体験も含めて、今回の旅の記憶に残っています。