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約100年前に誕生した生地ブランドを現代版にアレンジ

コラボによって現代版にアレンジされた生地ブランド「FANCYTEX」

御幸毛織株式会社が創業120周年を記念し、2025年で創業140年を迎える老舗卸商社・鷹岡株式会社とのコラボレーションを実現しました。

本企画の第一弾は、約100年前に誕生したブランド「FANCYTEX」を現代版にアレンジした春夏向けコレクション。御幸毛織伝統の技法を活かした“夏素材シャリック”を使用し、高い品質と涼やかさを兼ね備えた生地が届けられます。本年度は「FANCYTEX」の魅力を一年通じて再発見してもらえるよう、春夏だけでなく秋冬向けのコレクションも順次リリース予定とのことです。(取り扱い先:鷹岡株式会社)

生地の詳細

SHALICKのランナップより、スーツ、ジャケット、セットアップの各アイテムに相応しいベストな3素材をセレクト。さらに次世代に繋ぐことを意識し、全素材に環境対応型非フッ素撥水加工の「C-zero シーゼロ」を施しています。

■スーツ向け SHALICK (ウール47% モヘア16% ポリエステル37%)
1981年SHALICK発売当時のクオリティを再現。ウール×モヘア×ポリエステルのトロピカルという、SHALICKならではの原料ブレンドと特殊な糸加工により、清涼感と通気性、軽量感のある生地です。さらにしっかり密度をこめた低速織での適度なハリ感が、仕立て映えを演出します。

■ジャケット向け SHALICK (ウール58% ポリエステル42%)
春夏のジャケットに相応しい通気性とドレープ感のあるウーステッドです。細番手と中番手の強撚糸を交互に置き、立体的な組織で織りあげる製法で、ジャケットらしい適度なボリューム感とドライタッチな肌離れ性があり、携帯してもシワになりにくい特性があります。

■セットアップ向け SHALICK (ウール87% ポリエステル13%)
一般的にはコットンで作られるナチュラルな凹凸感が特徴のシアサッカーを、ウールポリエステルでドレスセットアップ向けに作られた生地です。ウール特有の上質感と吸湿性、適度なストレッチ性が特徴。

スーツ、ジャケット、セットアップにあう素材で製作

御幸毛織と鷹岡株式会社 FANCYTEXとの出会い

1920年代、当時東京中心の販売店開をしていた御幸毛織株式会社は、1927年(昭和2年)、舶来品の羅紗商として名高い大阪の鷹岡商店(現:鷹岡株式会社)と取引を開始。「紳士服生地をやってみないか」という提案を受けた御幸毛織株式会社は、純国産高級紳士服地の開発に挑戦しました。1928年には初めて「FANCYTEX」の名を冠した春物紳士服地が完成。この製品は市場で好評を博し、両社の連携はその後も長く続いています。

「FANCYTEX」ロゴと「FANCYTEX商品展示の様子 昭和9年鷹岡商店展示会」

シャリック(SHALICK)とは

シャリックは、御幸毛織伝統の夏素材として長く愛されてきたロングセラー商品です。その特徴は圧倒的な軽量感と抜群の通気性で、盛夏スーツ地の代名詞としての地位を確立しています。1970年代末、新設された開発室による試行錯誤の末、「軽さ」「涼しさ」「快適さ」を追求したこの生地が誕生。ウールとポリエステルの交撚糸を用い、シースルー性やドライタッチが実現しました。

1981年の本格販売開始以来、シャリックは業界に新しい価値を提供し続け、多彩な機能性と高級感を兼ね備えた進化を遂げています。現在でもモヘア混やシルク混、撥水加工など多彩なバリエーションを展開し、伝統と革新を象徴する御幸毛織の代表的商品として、多くの人々に愛されています。

御幸毛織株式会社:https://www.miyukikeori.co.jp/index.html

御幸毛織120周年特設ホームページ:https://www.miyukikeori.co.jp/anniversary/index.html

ミユキ・シャリック誕生物語:https://www.miyukikeori.co.jp/archive/shlickstory/index.html